「宇田川さとし」の都議会における発言
東京都議会総務委員会速記録第五号 より抜粋

平成十八年三月二十二日(水曜日)
第一委員会室
午後一時一分開議


〇宇田川委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十八年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 小泉内閣の懸命な構造改革の推進により、景気は順調に回復し、経済は新たな成長路線を歩もうとしております。
 こうした中で編成された十八年度東京都予算案は、都税収入を前年度比五・九%増の四兆五千億円と見込むなど、一般会計の規模は五年ぶりに六兆円台となっています。また、隠れ借金を大幅に圧縮するとともに、基金残高を確保するなど、二次にわたる、聖域を設けない徹底した財政再建への取り組みが功を奏し始めています。
 今、何よりも重要なことは、景気回復の勢いを都内産業の大多数を占める中小企業に及ぼし、都内経済、そして我が国経済を本格的な回復軌道に乗せていくことであります。
 本予算案では、新たな時代に対応した産業力の強化を着実に推進していくため、中小企業対策を初めとし、さまざまな地域振興策が盛り込まれています。
 また、オリンピックの東京招致は、東京の存在感を世界に示す絶好の機会であるとともに、都市の発展過程で生じてきた都市インフラの問題解決を促進するよい機会でもあります。そうした意味から、今回、新たに基金を創設し、一千億円を計上したことを高く評価いたします。
 さらに、急速な少子化の進行は、社会保障制度や社会経済構造に大きな影響を与えます。そのため、地域での子育て支援づくりや仕事と家庭生活との両立、子どもや家庭の自立促進など、次世代育成支援の促進は非常に重大な課題であり、都としても重点的な対策を講じる必要があります。
 しかしながら、こうしたさまざまな課題への対応を迫られる一方、昨年末には、法人事業税ばかりか、法人住民税の分割基準を見直す国の動きも明らかになるなど、財源問題に関連して、非常に厳しい状況に直面しました。
 我々都議会自民党は、都選出の国会議員とも力を合わせ、強力な反対活動を行い、法人住民税の分割基準見直しを阻止するとともに、恒久的な減税の補てん措置である地方特例交付金には三カ年の経過措置を設けさせるなど、都にとって貴重な財源を確保してきたことは特筆すべきことであります。
 我が党は、石原知事としっかりと手を組み、東京をねらい撃ちするこうした国の動きに対しては、今後とも反対の姿勢を貫いてまいります。
 改めて申し上げるまでもなく、東京の再生、発展を果たすための先進的な施策を継続的に展開していくには、強固で弾力的な財政基盤の確立が欠かせません。今後とも、財政構造改革に向けたたゆまぬ努力が必要であると、あえて強調しておきたいと思います。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく、最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、知事本局関係について申し上げます。
 一、都政の構造改革の推進及び各局事業の総合調整など、知事本局本来の機能を十分に発揮するとともに、重要施策の実現に向け、平成十八年度重点事業を着実に実施し、東京を含む首都圏の再生及び都民生活の向上に努められたい。
 二、東京にオリンピックを招致するため、各局との密接な連携のもと、都市インフラの整備を行い、東京の魅力の向上を図るなど、オリンピック招致活動を総合的に推進されたい。
 三、地方分権改革の本来の目的は、国の地方に対する関与、統制を排除し、地域の実情に応じて、住民が真に求めるサービスを自主的、効率的に提供できる仕組みをつくることである。真の地方分権改革の実現に向けて、その基本理念に立ち返り、抜本的な改革を進めるよう、国に積極的に働きかけられたい。
 四、アジア大都市ネットワーク21については、今後も東京都が先導役となり、アジアの各都市の連帯と協力をさらに深め、共同事業の取り組みを一層強化し、二十一世紀のアジアの繁栄と発展に大きく貢献されたい。
 次に、青少年・治安対策本部関係について申し上げます。
 一、子どもを取り巻く環境の整備は、親や地域の大人の責任である。地域で子どもを育てるため、都民、町会・自治会、区市町村、事業者、青少年健全育成団体などと協働して、東京子ども応援協議会などを活用したあいさつ運動や、中学生の職場体験などの地域活動を積極的に推進されたい。
 二、公立小中学校等における安全対策を充実強化するため、不審者の侵入を抑止する防犯カメラの設置補助など、子どもの安全確保について万全を図られたい。
 三、手口の悪質、巧妙化により、高齢者や女性の被害が深刻化している振り込め詐欺被害抑止に向けて、警視庁や区市町村、金融機関、弁護士会など関係団体との緊密な連携を図るとともに、全庁的かつ全都的な、都民に対する被害防止のための注意喚起の取り組みを強力に推進されたい。
 最後に、総務局関係について申し上げます。
 一、行財政改革の新たな指針に基づく行財政改革実行プログラムの策定を着実に進め、行財政改革、財政再建、新たな政策展開を一体化し、総合的な改革に取り組まれたい。
 二、区市町村の振興については、行政水準の維持向上を図り、地域の均衡ある発展を促進するなど、施策の一層の充実に努められたい。
 また、首都圏の中核をなす多摩の実現のため、多摩リーディングプロジェクトに掲げられた、都みずからが重点的に推進する事業を着実に推進するとともに、市町村総合交付金を活用して、市町村財政を支援されたい。
 三、都区の検討課題である財源配分については、都区の今後のあり方を検討する中で整理を進めるとともに、都と区が連携して大都市東京の発展に取り組まれたい。
 四、首都直下地震など大規模災害の発生に備え、被害想定に基づく新たな地域防災計画を早期に取りまとめるとともに、八都県市相互応援の連携体制の確立、実践的な総合防災訓練の実施、都民の防災意識の一層の向上、島しょ部や東京湾における津波対策など、防災対応力の一層の強化に努められたい。
 また、震災発生時において、自助、共助に基づく住民主体の活動が各地で広まるよう、復興市民組織の育成など、住民と区市町村との協働の取り組みを支援されたい。
 五、セキュリティーの確保に万全を期し、電子申請や電子調達など、ITの成果を都行政に取り入れた電子都庁の推進に努められたい。
 また、都民により利用しやすい行政サービスを提供するため、国や区市町村等との連携を図り、住民基本台帳ネットワークの着実な推進や、総合行政ネットワークの充実など、広域的な情報ネットワークの整備に努められたい。
 六、首都大学東京は、都民の期待にこたえる大学として、大都市で活躍する人材を育成し、東京のシンクタンクとして、大都市の課題解決を目指し、教育研究の充実に取り組むとともに、運営体制の簡素化、任期制、年俸制の導入や、業績主義の徹底、学部構成などの不断の見直しなど、法人化のメリットを生かした効率的運営に努められたい。
 以上をもちまして私の意見開陳を終わります。